来場者に深く届く「シネアド」の魅力 企業×クリエイターによる「エールシネアドプロジェクト」

映画が始まる前に、スクリーンで上映される広告映像「シネマアドバタイジング」(以下シネアド)。そのシネアドを活用した、企業とクリエイターがタッグを組み「応援」をテーマにした「エールシネアドプロジェクト」が好評だ。新しい切り口でクリエイティブを届けてきた宣伝会議とシネコン大手のイオンエンターテイメントが連携した同プロジェクト。本編が始まる前に「泣いてしまった」という声があがるほど、ユーザーの心に深く届く、そのような「シネアド」とは?イオンエンターテイメントの今井良氏に詳しく聞いた。

60秒で見せ切る、他とは違う「シネアド」の強み

シネアドの強みは、一言でいうと「エンゲージメントが高い動画媒体ということ」だと話す今井氏。15~60秒で深いところまで届けられるのが特徴でもある。動画媒体はSNSの流行に伴い広がっているが、どういった状態で接触してもらうかが課題だ。シネアドの場合は、「視聴空間」と「ユーザーの心の準備」が他媒体とは違うようだ。

「自宅で映画鑑賞ができる時代にわざわざお金を出して映画を見に行くというのは、モバイルデバイスを手放して、特別な異空間へ旅立ちたい、余すことなく楽しみたいという、すでに『マインドセット』ができている状態」だと今井氏は語る。

人の生活行動には「働く・休む・遊ぶ」の3つのモードがあり、人々が映画館に行くときは、「休む」モードのとき。心にゆとりのある状態で足を運ぶため、ポジティブかつオープンなマインドでスクリーンに向かえる。そのような考え方を持つ人にブランドメッセージをリーチすることで深く浸透するという。

映画館は巨大なスクリーンに注目し続けられるように設計されており、作品の音響しか聞こえない空間。四六時中チェックしていたスマホ通知を無効にし、約2時間の間、集中を乱す誘惑はどこにもない。たった1つのことだけに没頭できる、この貴重な空間は唯一無二といえるかもしれない。

写真 映画館

流行とマッチした「シネアド」の成功事例

そのシネアドについて、今井氏に過去の成功事例を聞いた。「Indeed(インディード)様が出稿したときは、俳優の赤楚衛二が出演する映画『366日』が上映されるタイミングで、シネアドでも赤楚衛二を起用して上映した。オーディエンスは赤楚衛二ファンの女性が圧倒的に多いため、『CMを作ってくれてありがとう』という声も上がった」そうだ。また、「このCMがテレビで放映されるタイミングを狙いシネアドでも上映したことで、オーディエンスは初めてこのCMを目にすることになった」と話す今井氏。上映するタイミングが考慮されたことと、推し活が流行している現代にうまくマッチした事例ともいえる。

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